相当前から言われている「ギガ」ですが, 本人が思ってるそれ以外にも種類があるので例えば質問サイトでやり取りしていてもどれのことなのか…となることがあります.
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【共通】そもそもの「ギガ」とは
これは言ってみれば千や億などと同じ「接頭辞」と呼ばれるもので, 国際単位系(SI)によって「基礎となる単位の 倍 」と決められています.
つまり例えば (1ギガバイト)なら (10億バイト)を意味します.
因みに他の接頭辞との関係は以下になります.
しかしコンピュータの容量や通信関係では実際には日常の10進数より2進数の方が都合が良いため, 内部では に近い を単位とするほうが都合が良く, 実際にはこれによって単位が変わります, これを2進接頭辞と言います(知らなくてもいいです).
なので実際には下のようになります.
前者では各々
- K:キロ
- M:メガ
- G:ギガ
- T:テラ
ですが2進接頭辞では
- Ki:キビ
- Mi:メビ
- Gi:ギビ
- Ti:テビ
と呼びます.
しかし日常で2進接頭辞が殆ど認知されていないため, このSIと2進接頭辞が混在した扱いとなっているのが現状です.
現在我々が扱う頻度の多い単位が「ギガ」なわけですね, iPhoneに限らずパソコンやUSBメモリなどの多くはGB単位のものが多いです.
トラブル毎の4つの「ギガ」
では具体的なトラブルを用いてそれぞれを簡単に説明します.
なお, 以下に紹介する3つの「ギガ」は(基本的に)互いに無関係であり, それに対して別の解決法を取っても何も解決しないことに注意です.
1.ストレージの「ギガ」
このように「ストレージの空き容量がありません」というポップアップが表示される場合があります.
これはデバイスの本体容量(=ストレージ)の空きが少ないために表示されるものであり, 例えば
- アプリをダウンロードする
- 写真や動画を撮影する
- アプリで作成したコンテンツを保存する
といったことに必要な空きが無くなったことを意味します.
解決
解決するには例えば
- 写真アプリから不要な写真・動画を削除, またはパソコンやオンラインストレージに退避させる
- 使っていないアプリを削除する
blog.thetheorier.com - バックアップを取って復元するなどして一時ファイルなどのゴミを取り除く
などがあります.
ストレージの空きがあるかどうかは設定アプリの [一般] > [情報] の「使用可能」をチェックすればわかります.
どのくらい空きが必要かは何をするか…によって異なります.
ちょっと写真を撮りたい, アプリを入れたい, iOSのアップデートをしたい…各々によって必要な空きが全然違います.
2.iCloudの「ギガ」
二つ目はiCloudに関するストレージです.
画像のように「iCloudストレージの空き領域が不足しています」と出る場合がこれに当たります.
英語の場合はこの「Not Enough Storage」というタイトルになります.
あるいは「このiPhoneは、過去○○間バックアップが作成されていません」というタイトルのポップが表示される場合があります.
これらは共通して, AppleのオンラインストレージであるiCloudの空きが不足しているため, コンテンツの保存やバックアップを行うことができなくなったために表示されます.
解決
解決するにはまず一つ目としてはiCloudで管理しているコンテンツを削除することで空きを確保する手段です.
設定アプリを開いてユーザーアイコン(画面の一番上)をタップし, iCloudを選択して「ICLOUDを使用しているAPP」にある各コンテンツのスイッチを各々の判断でオフにします.
利用状況次第でしょうが一番かさむのは写真かiCloudバックアップ, この2つであろうかと思います, 他にあるとすればメールでしょうか.
iCloud上のコンテンツやバックアップを削除したくない!という場合はiCloudの使用容量をアップグレードして増やす手もあります.
設定アプリから [一般] > [ストレージとiCloudの使用状況] > [(iCloud側の)ストレージを管理] > [ストレージプランを変更] と進むと現時点で無料の5GBプランから 50GB, 200GB, 2TB に変更することができます.
但し画像の通り
- 月額料金が必要
- 本体ストレージやデータ通信量(後述)が増えるわけではない
という点に注意です.
特に「本体ストレージが増える」と勘違いして誤ってプランを変更してしまうユーザーが少なからずおられるようです.
プラン画面下にある通り, キャンセルはその場で出来る上, アップグレードから15日以内であればAppleに連絡することで返金が可能です.
「空きが不足している」状況に陥ったら, 何の空きが不足しているのかをきちんと理解した上で各対処をしましょう.
3.(モバイル)データ通信量の「ギガ」
3つ目はモバイルデータ通信に関するギガです.
電話をしたりメールやチャットをしたりゲームをダウンロードするには何らかの形で通信しなければなりません.
通信とはデータのやり取りであり, この単位もこれまでのストレージやiCloudと同じくバイト単位で, 接頭辞も同じものが使われます.
脱線ネタなので対して重要じゃありませんが, 計算機(パソコンなど)から某シーケンサにデータを送信するには, 送信データ以外に「問い合わせ」を意味するENQ(応答の場合はACK)やどのシーケンサ・PCに送るか, どんな命令を送るか, 送ったデータがきちんと合っているか…などのデータも必要に応じて一緒に送ります.
今の御時世, 送るデータの量に比べたらこれらは微々たるものですけどね.
これらのデータもやはりバイト単位であり, このやり取りはキャリアなどの契約によって○○GBを定額などで利用しているわけですね.
Webサイトを見るときも, Youtubeなどで動画を見るときも, 常にデータの行き来が行われており, それに消費したデータ量がこの(モバイル)データ通信量になります.
キャリアや契約によって様々ですが, 指定の容量を超えると通信速度が一時的に制限され, Safariでページが開きにくくなったり, Youtubeなどの動画が観れなくなったりします.
- 残り200MBで通信速度を低速にいたします
- 通信速度制限が迫っています
- ○○GBを超過したため通信速度が制限されます
といったSMSが届くのはこれに相当します.
これに関してもiCloudのプランを変更したところで何も解決しません.
解決
画像はソフトバンクの例ですが, 追加でデータ通信量を購入して確保する選択肢があります.
見ての通り有料になります.
他の対処としては例えば
- Wi-Fi環境で過ごす
- 位置情報オフ
- アプリの自動アップデート停止
- 低電力モードの使用
- モバイルデータ通信を行うアプリをできるだけ使用しない
- 諦めて低速のまま解除されるのを過ごす
などがあると思います(最後は最終手段ですね).
頻繁に通信制限になるようであれば契約を見直したりWi-Fiの導入検討などの必要もあるかもしれません.
4.メモリの「ギガ」
パソコンでは良く例えられることですが, メモリ(=RAM)は何かを行う上での「作業台」と言われます.
実際の演算処理などを司る領域で, 処理は早いですが(ストレージと比べて)同一容量でのコストが高いのと, 電源を切るとデータが消えてしまう性質を持ちます.
対してストレージはよく「倉庫」に例えられます.
作成したデータを保存しておくのが主な役割で, 処理は相対的に早くないですがコストが安く, 電源を切ってもデータが保持されます.
パソコンではHDDなどがこれに相当し, こちらでは「仮想メモリ」などの使い方がありますがiPhoneにはありません(iPadにはあると聞いたことはあります).
メモリは結構直ぐに空きがカツカツになりやすく, それを補うためにHDDの一部を「仮のメモリ」として使用するのが仮想メモリです.
しかし前述の通りHDDは対して処理速度は速くないため, 実際のところ気休めだったりします.
画像の通りiPhone 6だと1GB(989MB)となっています.
今年リリースすると思われる新作iPhoneは3GBと噂されていますね.
どのデバイスであろうと, デバイスを制御するためのOS, iOSのために常に一定のメモリが使用されています.
メモリ解放アプリやチェックアプリで常に何割か使われているのは「そういうもの」と思いましょう.
このメモリの「ギガ」は販売された時点で決まっており, 我々ユーザーが増やすことはできません.
パソコンだったら知識と技術があれば増設とかできるんですけどね.
解決
基本的にメモリ不足で我々が何か解決する術を持っているわけではありません.
iOSは自身によって極力メモリを空ける工夫がなされており, ホームボタンを2回押して出てくるAppスイッチャーからアプリを終了する行為は一時的であり, 「やらないよりマシ」ですが意識してやる必要はありません.
簡単に言えば「ユーザーが心配する必要のない工夫がされている」ということです.
その一時, メモリを空けたいという場合にアプリを終了させたり, メモリ解放アプリなどを使用する意味は多少なりともある程度です.
番外. 4Gの「ギガ」?
結構前から表示が変わり, しばらくLTE表示だったのdocomoも昨年8月のPremium 4G®, そしてiOS10に合わせて4G表記に変更されましたね.
これもギガ…と言いたいですが実際にはこのGはギガでなくgenerationのGなのでギガではありません.
これはモバイルデータ通信の通信規格の「世代」を意味しており, 色んな通信規格があるのを国際電気通信連合(ITU)が定める基準に応じて世代としてまとめられたものです.
これまで多くで使われてきた3Gを超える4Gが開発されており, LTEに相当する各通信規格は3Gと4Gの中間の規格と見なされていました.
そのためsuper 3G, 3.9G, LTEと呼称を変え, 今ではLTE=4Gの扱いのようです.
因みに既に5G(5世代)の開発・研究が昨年から各社で行われており, 2020年の東京オリンピックまでにサービスが開始されるのを目標としているそうです.
というわけで, このGは「ギガ」ではないんですがGが付いてるので紹介しておきました.
〆
こうして見ると色んな「ギガ」があるものですね.
誰かに伝えるときもどの「ギカ」かちゃんと伝えないと混乱してしまいますね, 気をつけましょう.