もう一人のY君

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グラフで見る猛暑

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 なんだか年々暑さが厳しく感じる今日この頃です.

 とは言っても直近の気温等々は天気予報などで知っていても過去と比べてどのくらい違うのかは直ぐには分かりません.

 ということで今回は過去の記録からグラフを作成しました.

 

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1961年以降のデータから

気象庁|過去の気象データ検索

過去の気象データ検索

 参考にしたのは気象庁の過去データ, 観測地点は岐阜県岐阜市です.

 各々のデータはそれぞれの結果の「平均」の項目を用いています.

 

 

体感温度と不快指数

 今回は気温だけでなく不快指数も作成しました.

 不快指数は気温 { \displaystyle t } (℃), 湿度 { \displaystyle h } (%)に対して

 

{ \displaystyle DI = 0.81t+0.01h(0.99t-14.3)+46.3 }

 

によって得られます.

 

 また単純な気温よりも体感温度を採用したほうが望ましいと思い, 気温 { \displaystyle t }, 湿度 { \displaystyle h }, 風速 { \displaystyle v } (m/s) に対してスミナール(改良版)による次の体感温度式

 

{ \displaystyle t = 37-\frac{37-t}{0.68-0.0014h+\frac{1}{A}}-0.29t(1-\frac{h}{100}) }

{ \displaystyle (A=1.76+1.4v^{0.75}) }

 

によって改めて不快指数の式に代入します.

 

 各データは6,7,8月に分けてあります.

 

 

真夏日と猛暑日

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 まずは真夏日と猛暑日からです.

 真夏日とは「最高気温が30℃以上だった日」, そして猛暑日は「最高気温が35℃以上だった日」です.

 まず6月ですが, 流石に6月で猛暑日の年はかなり少ないですね(それでもいくつかありますが).

 斜めに入っている直線はそれぞれの一次近似線です.

 猛暑日については参考になりませんが真夏日の方は年を経るごとに増えているという結果になりました.

 近似線の結果を単純に評価すると, 61年以降で真夏日が月あたり4日以上増えていることになります.

 

 

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 次は7月です(2018年は17日まで).

 梅雨も大抵後半に終わっている影響か, 猛暑日が1日以上の年がかなり増えています.

 それでも2000年以降は猛暑日がゼロの年は無く, それ以前では猛暑日ゼロがちらほら見られます.

 一次近似を見ても真夏日・猛暑日共に増加の傾向を示していますね.

 しかし居所的に見ると真夏日・猛暑日共に多いのはここ数年よりもむしろ2000年前後のようです.

 その前後, 具体的には例えば91, 93, 03年は冷夏のあった年であり, このグラフからもそれが見て取れます.

 

 今月2018年7月については17日までの時点で真夏日が15日, うち猛暑日が6日となっています.

 

 

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 次は8月です.

 流石に8月とあって月のほとんどが真夏日となっています.

 猛暑日については7月までとは比べ更に顕著に増えています.

 

 岡山ほどの差ではないにしろ, 少なくとも猛暑日については明らかに60年代70年代とは事情が異なるのは明らかですね.

 

 

最高気温

 次は月ごとの最高気温を見てみます.

 

 

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 まずは6月です.

 80年代以前でも6月で30℃を超える日は確認できますが, 「ひげ」の伸びは2000年以降には及びません.

 2000年以降は特に「箱」の最下部がすべて25℃以上となっています, つまりそれだけ夏日の日数が増えていることを示しています.

 

 

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 次は7月です(2018年は17日まで).

 7月以降は台風や冷夏の影響を受けてか, 箱ひげ図もかなりバラバラになっています.

 顕著に箱が降下している81, 93, 03年はまさに冷夏のあった年となります.

 93年はコメ不足による騒動が, 03年は93年程ではありませんがやはり米や野菜が不足し価格高騰を起こしました.

 

 それらの一時的な気候変動を無視したとして, 若干の気温上昇, 特に「箱」上部が押し上げられ33~34℃から常に35℃を維持するようになっていることがわかります.

 

 

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 次は8月です.

 8月もやはり台風の季節でもあるため, 箱ひげの下部はかなりバラついています.

 7月と同様, 箱ひげ上部がジワジワと上昇していることがわかります, つまり最高気温がより高い日が増えていることを示しています.

 一日単位でみれば例えば83年の15日に39.4℃を記録していますが, それより昔は36℃台が精一杯です.

 2000年以降ではその36℃37℃台にまで箱部分が位置する年が増えています, それだけ猛暑日が多いということですね.

 

 

不快指数

 最後に興味本位で作ってみた不快指数です.

 なお, 今回は前述の通り体感温度を採用したためまったく同じではありませんが

 

  • ~55 :寒い
  • 55~60:肌寒い
  • 60~65:何も感じない
  • 65~70:快い
  • 70~75:暑くない
  • 75~80:やや暑い
  • 80~85:暑くて汗が出る
  • 85~ :暑くてたまらない

 

だそうです(wiki:不快指数).

 

 また計算上風速が入っているため, 例えば屋内, 屋外でも風の通らない場所, 日陰など状況によって異なる評価になります.

 

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 まずは6月です.

 若干の増加傾向こそ見られますが, 63年, 79年, 91年, 11年などを頂点として周期的に変化しているようにも見えます.

 

 

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 次は7月です(2018年は17日まで).

 こちらでも冷夏などの影響を明白に評価できますね.

 やはり2000年以降になると「箱」下部が冷夏を除いて65を常に超えるようになり, 多くは67を超えているのがわかります.

 

 今年2018年の7月については, 執筆時点の17日までの分で不快指数70以上が12日, 75以上では3日となっています.

 

 

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 8月については極端な変化は見られません.

 93年の冷夏翌年の94, 95年が突然上昇しているのが印象的なくらいでしょうか.

 

 

 不快指数では他に比べ大きな差は見られませんでした.

 そもそも上で指摘した通り不快に思う要素, 不快を和らげる要素はその場所によって様々ですからそもそも数字にすること自体がかなり難しいと思います.

 

 猛暑日については90年台から増えていたんですね, 個人的に意外でした.

 これについては観測点によって変わると思います.

 

 猛暑日はこれからも増え続けるんでしょうかね, なら東京オリンピックは大丈夫なんでしょうかね…

 夜にしたとしても熱帯夜なわけですし.