もう一人のY君

iPhoneアプリのレビューやアップデートレビューなどを書いています. たまに数学の記事も書きます.

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【iOS】パブリックベータにアップデートする際は重々気をつけること

iOS Public Beta パブリックベータ

 iOS9から対象となったパブリックベータは, 開発者でなくとも, パソコンを持っておらずともデバイス単体で正式版より一足早く新しいバージョンのiOSを利用できるようになりましたね.

 

 

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これまでのベータ版

 ベータ版の配布は, 基本的にはアプリ制作に関わるデベロッパーが,

 

  1. 新しいOSでもキチンと動作するか
  2. アップデートすることで支障はないか
  3. そもそもOS自体に不具合がないか

 

を確かめることが主な目的です.

 

一般向けのパブリックベータ

 これまでは開発者向けのみ配布されていたベータ版ですが, iOS9からは一般向け, パブリックベータとして途中から配布されるようになりました.

 正式版が出る前に次のメジャーバージョンに触れられるとあって, 気になる方も実際入れて確かめている方もおられるでしょう.

 

 

「その先」を想定していない

 一方で,

 

  1. 不具合多いんですけど大丈夫ですか?
  2. 開かないアプリがあるんですけどどうすれば良いんですか?
  3. (パソコン持ってないしバックアップしてないけど)元のiOSに戻すにはどうすれば良いんですか?

 

と言った質問が各種質問サービスで散見されます.

 ある程度配布回数が増えればその頻度は減りこそすれ, ベータ版と言うのはそもそも不具合があってなんぼであり, そもそもそれを発見し報告(デベロッパーなら修正)するものであり, またベータ版にするなら予めバックアップ(iCloudでなくiTunesバックアップ)するのが普通です.

 

パブリックベータの個人的是非

 パブリックベータとして配布されるようになったのはiOS9からになるので昨年はまだそこまで多くは見かけなかったように思えますが, 大手のサイトやブログでより周知されるようになった今年はそれなりにそういった質問を見かけるように見えます.

 

パブリックベータ版にすることによるリスク

 パブリックベータにするメリットは, 我々一般ユーザーからすれば基本的には「新しいOSを楽しめる」以外は余り挙げる点が無いでしょう.

 

 デメリットとしては既に挙げたものも含みますがおおよそ以下になります

 

 

1.想定外の不具合はつきもの

 そもそもベータ版は不具合があるからこそです.

 それを発見して報告したり, 現状で自身のアプリが正常に動作するのか等々を確認するのがそもそもの目的です.

 一般向けに配布するようになったのも前者が主な目的であり, 「一足早く楽しんで欲しい」というわけではありません.

 

 正式版の初期バージョンですら不具合の残っているケースがあるわけですから, それより前であるパブリックベータのそれはもはや言うまでもないでしょう.

 

 

2.不具合に対しての明確な解決法に乏しい

 これもまた当然の話で, ベータ版にして「バッテリーの減りが早くなった」とか「アプリが開かない」等々が行ってもさもありなんであり, 逆に言えば正式版のようにその解決法を知る人は相対的に少ないと言えます.

 従ってベータ版にしたことによる不具合に解決を求めたり, あるいは非難をするのはそもそも筋違いであり, それを発見し, Appleに報告するのが本来ベータ版を入れる目的です.

 

 ベータ版にする以上, 何かしらの不具合があっても簡単には解決できないか, それと付き合っていく必要があるかもしれません.

 ベータ版はおおよそ2週間間隔でリリースされますから, 次回で解決する目ももちろんあります.

 

 

3.現行のiOSに戻せる, バックアップから復元できるとは限らない
About iOS beta software

Members of the Apple Beta Software Program, Customer Seed Program, and iOS Developer Program can use an iOS beta release. Here's what to do before and after you install an iOS beta release on your iPhone, iPad, or iPod touch.

(日本語で読みたい場合はURLの en-us を ja-jp に書き換えましょう)

 基本的にはデバイスを工場出荷状態に戻し, iTunesで取ったバックアップから復元することで可能ですが, 上記の英語版最下にある通り, iOS11ベータからiOS10に戻すことは可能ですが, iOS10.3.2に戻すことはできないとあります(何故か日本語版ではこの記述がありません).

 記事執筆時点ではiOS10.3.1以下のSHSH発行も終了していますから, 結局可能な復元先はiOS10.3.3ベータか, 今後リリースされる正式版のiOS10.3.3以降ということになります.

 それまでは一度入れたベータ版を使い続けることになります.

 

 またこれは上記記事の日本語版にもありますが, きちんとiTunesでバックアップしても, iOSバージョンの新旧によっては正常に復元できないことがあります.

 

 

4.万が一の際にはパソコン必須

 ベータ版にする際はデバイスだけで済みますが, やっぱり正式版に戻したい…なんて思ってもその場合は予めパソコンでバックアップを取っていることが前提になります.

 

 ベータ版から正式版に戻すにはデバイスをリカバリーモードにし, iTunesのあるパソコンに接続して工場出荷状態に戻し, (基本)現行最新のバージョンを再インストールすることになります.

 

 この操作はデバイス単体では不可能のため, ネットの繋がったパソコンを持ってない方は万が一が起こったりして元に戻したくても出来ないということを理解しておくべきでしょう.

 

 

公式にない情報を公開・シェアすることはできない
Apple Beta Software Program

Apple Beta Software Program は、プレリリースソフトウェアを試用していただくためのプログラムです。品質や操作に関するフィードバックは、Apple ソフトウェアの問題の特定と修正、品質向上に役立てられます。パブリック・ベータ・ソフトウェアは商用リリースではないため、エラーや不具合が発生したり正しく機能しなかったりする可能性があることにご注意ください。ベータソフトウェアをインストールする前に必ず「iTunes」(iOS デバイスの場合)または「Time Machine」(Mac の場合)を使って Mac または iOS デバイスのバックアップを作成してください。Apple TV で購入したものとデータはクラウドに保存されるため、Apple TV のバックアップを作成する必要はありません。また、メインデバイスや本番用のデバイスにはインストールしないことをお勧めします。サブのシステムやデバイスまたはお使いの Mac のサブパーティションにインストールすることを強くお勧めします。

 あくまでも正式版でなくベータ版ですから, 正式なものではありません.

 配布を認める代わりにその内容は機密扱いとなり, むやみに公開したりシェアすることは規約によって禁止されています.

 アップデートする場合はちゃんと読んでおきましょう.

 

 

進むは楽, 戻るには事前準備を

 デバイス単体でベータ版に出来てしまうが故にアップデートは比較的手軽ですが, もし後で戻したい時に

 

  • PCを持ってないと
  • PCに予めバックアップしてないと

 

, なかなか痛い目を見ることになります.

 デベロッパーによっては(そういった立場に関係なくですが), 何かあったときに更に備えてベータ版用にデバイスを用意し, そちらでベータ版にしてデバッグを行います.
万が一に備えてメイン機をベータ版にするのは極力控えるんですね.

 

 

 ベータ版することを推奨しない訳ではないんですが, 行うならそれなりの備えをしないと何かあったときに面倒なことになります.

 

 特にパソコンを持ってない方はよくよく考えてください.