もう一人のY君

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【数学】分数に付くマイナス

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 タイトルは分数としましたが簡単に有理数とします.

 

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分母や分子に付く?付かない?

 質問サイトでもあたまに見かける話題です, つまり

 

{ \displaystyle -\frac{a}{b}\,\frac{-a}{b}\,\frac{a}{-b} }

 

は等しいのかどうか…です.

 

 後者の二つについては比較的易しいでしょう, 有理数 { \displaystyle \frac{p}{q},\,\frac{r}{s} } について

 

{ \displaystyle ps=qr }

 

が成り立つこと, 先日も紹介したマイナス×マイナス

 

{ \displaystyle (-a)(-b)=ab }

 

により成り立ちます.

 

blog.thetheorier.com

 

 よって示すのは例えば { \displaystyle -\frac{a}{b}=\frac{-a}{b} } のみで十分です.

 

 { \displaystyle -\frac{a}{b} } というのは { \displaystyle \frac{a}{b} } の加法逆元に他なりません, 有理数の自然な加法・乗法の定義は

 

{ \displaystyle \frac{a}{b}+\frac{c}{d} := \frac{ad+bc}{bd} }
{ \displaystyle \frac{a}{b}\times\frac{c}{d} := \frac{ac}{bd} }

 

であり, 加法単位元は { \displaystyle \frac{0}{1} } ですね.

 

 従って任意の { \displaystyle \frac{a}{b} } における加法逆元 { \displaystyle \frac{m}{n} }

 

{ \displaystyle \frac{a}{b}+\frac{m}{n} = \frac{m}{n}+\frac{a}{b} = \frac{0}{1} }

 

を満たします.

 

 この { \displaystyle \frac{m}{n} } は(存在するならば)上の意味で { \displaystyle -\frac{a}{b} } を表すわけです.

 

 さて上を整理すると

 

{ \displaystyle \frac{an+bm}{bn}=\frac{0}{1} }

 

となります.

 

 例えば { \displaystyle m=-a, n=b } とすれば左辺は { \displaystyle \frac{ab+b(-a)}{b^2} } となり, 整理して { \displaystyle \frac{0}{b^2} } , これは

 

{ \displaystyle 0×1=b^2\times 0 \\ \Leftrightarrow 0=0 }

 

により { \displaystyle \frac{0}{1} } に等しいです.

 

 然るに { \displaystyle \frac{m}{n}=-\frac{a}{b}}{ \displaystyle \frac{-a}{b}} に等しいことが分かりました.

 

 よって推移律より

 

{ \displaystyle -\frac{a}{b}=\frac{-a}{b}=\frac{a}{-b} }

 

が成り立ちます.

 

 

 数式としては別モノですが, 各々は紛れもなく等しいです.

 どの表記が正しいとか間違っているとかではなく, 「どれが都合が良い」というだけでしかありません.