Last modified:2019/10/26
前回の19号は中心付近の気圧のみチェックしていましたが今回は同最大風速もチェックしています.
前回同様, 気象モデルによって違いがあることを数字だけでなくグラフで見ることで伝わるものがあれば幸いです.
相変わらず埋め込み画像が見れない場合は記事最下の画像を参照ください(更新が遅れます).
台風20号
[履歴]
2019/10/15 9:00 熱帯低気圧
2019/10/18 3:00 台風に変化
2019/10/21 18:00 温帯低気圧に変化
今回は気象庁発表の中心気圧と中心付近の最大風速にある程度の相関が見られます.
前回19号の際は途中からチェックしていたので全体が不明でしたが, 少なくとも今回は中心付近の気圧に関して
- 発生から接近まで→強い相関
- 接近または上陸→相関が崩れる
- 接近または上陸後→非常に強い相関
であることが確認できます.
※気象庁における台風20号の最終更新は22日6時, 同じくJTWCは23日3時のため, 全体のチェックは23日23時16分を以て打ち切りました
台風21号
[履歴]
2019/10/19 9:00 熱帯低気圧
2019/10/20 3:00 台風に変化
昨日まで様子を見ましたが概ね23日がピークのように見えますね.
更新時(25日)は近畿南部に位置する低気圧がのさばっていますが21号が熱と風を運んで静岡県浜松市から福島県いわき市至る太平洋側に影響を与えているようです.
※1:ECMWF→欧州中期予測センター
※2:GFS→アメリカ国立気象局環境予測センター
※3:GSM→全球数値予報モデル
※4:JTWC→米軍≡台風警報センター
埋め込み画像が見れない場合(最終更新 2019/10/26 9:00)
台風20号
台風21号
〆
19号でもそうでしたが, 傾向として中心付近の気圧に関して
- 気象庁の予測は比較的強め
- アメリカGFSは楽観的
- 欧州ECMWFは気象庁とGFSの中間
であることが多いですね.
対して最大風速についてはGSM, JTWC共に中心気圧に比べ強い相関が見られます.
GSMに比べJTWCによる最大風速の値が大きいのは風速の定義の相違によるものだそうです(日本は10分平均, アメリカは1分平均).
また現在は衛星を用いて中心付近の風速を計測する技術が気圧のそれに対して進歩しており, そのためJTWCは気圧を発表していないんだそうです.
地上で計測する場合は気圧計の方が精度は高いですが, 海上で気圧計を使うのは現実的ではありませんし台風ならそもそも危険です.
当然台風の威力を評価するに当たってどちらの値も重要ですから, どちらか一方が不要というわけではありません.
ただ今回の結果から評価しても, 中心付近の気圧より最大風速の方が相関が強いことが確認できます.
当然前者に比べて標本が2種類という貧弱さはあります, 今年も10月末となり, 良い意味で強い台風が来るのは21号が最後である可能性は高いです.
現在は13号号までしか掲載されていませんが気象庁の「台風位置表」のページで気象庁のものに限り, 2001年以降の書く台風の詳細なデータが公表されています.
気象庁|台風位置表このページは、平成13年(2001年)以降に発生した台風の位置表(PDF、CSV形式)を掲載しています。 ご覧になりたい年を選択して下さい。 位置を図に示したものについては 台風経路図をご覧下さい。 過去の台風の番号と名前の対応については 過去の台風の番号と名前の対応表 をご覧下さい。 このサイトには、Adobe社 Adobe Readerが必要なページがあります。 お持ちでない方は左のアイコンよりダウンロードをお願いいたします。 このページのトップへ
過去の台風情報を知りたい方はこちらを参照するといいです.
別ページには1951年以降の経路図もあります.
追記(2019/10/26 9:00)
台風21号は25日21時頃に温帯低気圧となり, 翌26日未明にECMWFおよびGFSにおいて消滅(気象庁では更新時点で前線を伴って存在), JTWCについては最終警告が25日15時となったため, 25日23時を以てチェックを終了しました.