もう一人のY君

主にiPhoneのショートカットアプリのレシピやTipsなどを書いています. たまに数学の記事も書きます.

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【数学】割合(%)を考える上でありがちな誤り

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 以前にも, 温度に関する誤りが話題になりましたね.

 今回も同じく「尺度」がキーワードとなります.

 

 

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 以前, こんな内容を見かけました(数字は変更しています).

 

「1から2に増えたとき,何%増えたことになりますか?」

 

 皆さんはどう考えるでしょう?少し余白を取ります.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何%変化したのかはどうやって測れるのか

blog.thetheorier.com

 以前紹介した「尺度」に従えば, 割合, つまり%は比尺度に相当します.

 従って加減の他に乗除を考えることが可能であり,かつ絶対的な基準となる値が定まっているものを言います.

 

 今回取り上げた { \displaystyle 1 }{ \displaystyle 2 } だけでは, 基準が明確でないため, その違いの度合いを測ることはできません.

 差を取れば { \displaystyle 2-1=1 } ですが, これは { \displaystyle 1 } という大きさで見れば自分自身と等しいですが, これが { \displaystyle 100 } となるとその差は { \displaystyle \frac{1}{100} } でしかありません. 乗除に関しても同様です.

 

 従って何らかの基準が無ければどれだけ増えたか…何%増えたのか…なんてことは分からないのです.

 

 …と言うわけで与えられた条件ではどうしようもないので仮定するしかありません.

 例えば { \displaystyle 100\% } に相当する値を { \displaystyle x } , { \displaystyle 1 } に相当する割合を { \displaystyle a\left(\%\right) }, 同様に { \displaystyle 2 }{ \displaystyle b\left(\%\right) } としましょう, すると以下が成り立ちます.

 

{ \displaystyle \begin{align} \left\{ \begin{array}{ll} x:1=100:a \\ x:2=100:b \end{array} \right. \end{align} }

 

 整理します.

 

{ \displaystyle \Rightarrow \begin{align} \left\{ \begin{array}{ll} ax=100 \\ bx=200 \end{array} \right. \end{align} }

{ \displaystyle \Rightarrow (b-a)x=100 }

{ \displaystyle \Rightarrow b-a=\frac{100}{x} }

 

 この { \displaystyle b-a } が求める値ですので, { \displaystyle x } が分かれば良いことになります.

 式から, { \displaystyle x } はゼロではありえないこともわかりますね.

 

 例えば { \displaystyle x=1 } なら { \displaystyle b-a = \frac{100}{1}=100 } であり, つまり { \displaystyle 1 }{ \displaystyle 100\% } とした比尺度ですから { \displaystyle 1 } から { \displaystyle 2 } へ増えたことは「{ \displaystyle 100\% } の増加」なので正しいです.

 

 或いは { \displaystyle x=100 } とすれば { \displaystyle b-a=\frac{100}{100}=1 } であり, この場合 { \displaystyle 1 } から { \displaystyle 2 } へ増えたことは「{ \displaystyle 1\% } の増加」となります.

 

 

 たった1ワード欠けただけで正しい解釈が出来なくなることは今回に限らず往々にしてあることです.

 気をつけたいものですね.