
実際には劣化以外も影響はあります.
※価格は記事執筆時のものです. 現在の価格はApp Storeから確認ください.
レビュー時のiOSバージョン : iOS26.2
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充電速度に影響をもたらす要因
iPhoneなどを充電するにあたり、その速度はたくさんの要因によって決まります.
例えば影響が大きい順に以下が挙げられます.
- バッテリー自体の状態
・最大容量(バッテリー劣化度の総合値)
・内部抵抗の増加(発熱しやすくなり、ロスが大きくなりやすい)
・充放電回数(劣化の進行度合いの指標)
・化学劣化(受電効率の低下)
・セルバランスの乱れ(特定のセルの電圧・残量が減り、過充電や過放電を防ぐためにすべてのセルがそれに合わせて制限され実容量が小さく見えてしまう) - 温度
・周囲温度の低さ(化学反応が鈍くなり電流が制限)
・周囲温度の高さ(過熱保護により電流が制限)
・充電による発熱(急速充電なら更に上昇)
・ケースや布団などでの断熱 - 充電方式・ハードウェア条件
・アダプタの出力能力(最大電力やUSD-PDなどの規格)
・有線or無線(後者の方が発熱によるロスで遅くなりやすい)
・ケーブルの規格・品質(急速充電は速い一方、発熱による劣化を早める)
・電源供給元(PCのUSBポート・ハブ経由だと電力不足になりやすい) - 充電アルゴリズム・ソフトウェア条件
・低電流(CC)→低電圧(CV)の切り替え(残量が多いほど充電速度が落ちる)
・バッテリー充電の最適化・充電上限
・安全保護回路(過電圧・過電流・過熱検知)
・バッテリー残量推定の補正 - 機種差
・バッテリー容量
・ディスプレイサイズや輝度
・SOCの性能
・充電チップの仕様
・板金、冷却構造
・最大受電電力の上限 - 使用状況
・充電しながらの高負荷使用(発熱や消費電力の増加で実質の充電速度が低下)
・バックグラウンド処理
・電波状況の悪化 - バッテリー残量の位置
・0~30%:低電流領域のため比較的速い
・30~80%:徐々に制限が強くなる
・80~100%:低電圧・トリクル充電により大きく減速 - 環境・電源品質
・電圧の不安定なタップや劣化したコンセント
・ポータブル電源や安価な車載電源
・長い延長コード
→供給が不安定になると充電制御が保守的になり、速度が低下 - ユーザー操作・設定による要因
・画面の明るさ
・低電力モード(一部機能制限による速度変化)
・OSの違い(最新、旧版、β版)
・キャリブレーションの状況(本来の値と異なることで表示された数字と実際の値が異なる)
充電アルゴリズムについてはバッテリー保護を目的としたものもあるため、一概にデメリットとは言えません.
一時期充電時間を推定できないか悪戦苦闘した頃もありましたが、精度を高めるにはこれらを考えねばならない、難易度が高いというレベルに収まらない内容でしたね.
iOS26で公式に採用されたものの、それでも精度がイマイチなのは利用していて経験していると思います.
普通の場合

上の通りで充電速度(時間)を決める要素は多数あって複雑です.
それでも一部に極端な違いがあればそれ相当に比較できます.
というわけでまずは手持ちのiPhone12miniからです.
最大容量が80%を切り、内部抵抗も少し超えてちょっと心配な状況ですが使用感に特に問題はないです.

因みに記録するにあたって画像のようなショートカットレシピを充電中ずっと実行しています.
「ショートカットの入力」と実行時に取得したバッテリー残量が一致しなければメモに書き込み、その時点でのバッテリー残量をショートカットの入力として渡してこのレシピ自身を呼び出します.
そうしないと100%になるまでにメモに何十何百行と入力されてしまいますからね.
1秒待期させているのも負担軽減のひとつです、そこまで精度を求めてないので.

その結果が上の画像です.
上で書いた「バッテリー残量の位置」の説明とほぼ一致しています.
全体の充電時間は充電環境によって前後するわけですが、問題がなければこのような推移で充電されます.
劣化している場合

次は明らかに劣化している場合です.
今回使用したiPhone8はあと1ヶ月で新品購入から6年経ちます.
充放電回数が2730とそこそこの値ですが、実際は約5ヶ月前に一気に劣化してからたった12しか増えていません.
これは上でも書いたバッテリーセルの劣化によるものと思われます.
ここまでくると充電しながらでないとあっという間に電源が落ちる、でも容量は少ないので充電しながら使っても発熱しづらい…という奇妙なことになります.
それでもここ数日は充電をやめた途端に電源が落ちたり、寒さもあって2時間程度人肌で温めないと切れた電源がつかない…なんて状況です.
普通の扱いならサブ機としても使えないレベルですね.

そんな劣化iPhone8の充電推移は上の通りです.
一度目(青)はまさに上で書いた通りで温めても電源がつかない状況が2時間以上続き、その間に18%まで上昇してしまっていました.
二度目(赤)はかなり少ない状態から計測を始められました.
いずれも興味深いのは、充電開始時点から数十分は増えることなく、ある程度かかってから今度は線形に上昇している点です.
通常の充電推移とは完全に違いますね.

前半の変化がわかるように範囲を変えてみました.
本来なら充電しているのに減ったりしています(そもそもちっとも増えないこと自体が普通ではないんですが).
このようなことが起こる要因は、最大容量が少ないのもさることながら、他のハード面・ソフト面の要因も絡んできます.
- 劣化による電圧と実容量の関係の崩れ
・新品に近い電池は電圧とバッテリー残量の関係がなめらかで予測しやすい
・劣化した電池は内部抵抗が上がり、ヒステリシス(電圧の遅れ)が大きく、セルの劣化度が不均一になることで低~中残量域の電圧が読みにくくなり、誤差が生まれる - 低残量での保守的な表示
・予測が外れて急に0%になることは致命的なので、低残量域ではかなり控えめな数字を表示します
・そのため最大容量が減るほど、劣化が大きいほど一定残量まで変化が鈍る傾向になる(あくまでも表示される数字の話) - 途中で推定補正が入り、本来の表示に追いつく
・充電が進むと電圧や温度が安定し、OSが十分だと判断したタイミングで補正がかかる
・結果折れ曲がるようなグラフになる
〆
外的要因もあるのであくまでも指標のひとつですが、以下の状況がより複数起きるほど、劣化の可能性があります.
- 充電開始直後の伸び悩みが増える
- 中盤から一気に伸びる
- 100%表示後充電をやめてからの減りが速い
- 発熱しやすい
- 残量表示の振れが大きい

