台風に限らず, 毎年…のように定期的に起こることに対してこのように思うことはよくあります, 気温もそうですね.
実際のところどうなのか, 実際に調べてみました.
スポンサーリンク
過去68年の記録をグラフに
気象庁|台風の統計資料このページは、統計を開始した1951年以降に発生した台風に関する様々な統計資料を掲載しています。
グラフの作成にあたり, 各種データは気象庁が発表したものを利用しています.
発生数
まずは実際に太平洋上に発生した台風の数(累積)です.
なおこの数はその年の1月から12月に発生した月別数としてカウントされています.
画像の通り, 日本に来るかはさておき1月でも発生する年は普通にあります.
9月を最後に一度も発生しない年もあれば12月いっぱいまで発生する年もあるようです.
統計が行われた51年以降で年間発生数が一番多いのは1967年の39個, 一番少ない年は2010年の14個です.
1951年から2017年までの平均は約26個のようです.
上はゴチャゴチャしているので過去10年(2008年以降)に減らしてみました.
1951年以降のものと比べると最終的な発生数は低めであることがわかります.
因みに新潟・福井豪雨があった2004年は発生数29と, 数としては統計上は中程度であることになります.
発生数と個々の台風の威力が大して相関しないのは言うまでもありません.
年ごとの発生数のグラフです.
こうしてみると51年以降での評価としては露骨な発生数の上下は見られず, 強いて挙げるなら1960~70年辺りでピークがあるように見えます.
接近数
発生した台風の中には日本に向かわないものもあります.
なので今度は日本に接近した台風の数を見てみます.
当然ですが発生数と比べてその数は減り, 接近数が増え始めるのが概ね4月になってからの年が多くなります.
また6~9月での増加が発生数のグラフより顕著に見られるようになりました.
最も多い年が1966年と2004年で14個, 最も少ないのは1973年で4個でした.
平均すると約12個ですね.
年間数のグラフに直すと全体的に露骨は傾向はあまり見られません.
局地的に見れば1960年台までに一つの山, そして2004年, 2012年が印象的です.
当時に年間20個もの接近があった年が1960年台にもあったんですね.
このグラフが1970年から始まっていたら一次近似することで増加傾向があると評価するでしょう.
上陸数
最後は実際に日本のどこかに上陸した数です.
概ね6個以下に収まっていますが一つだけ, 2004年が際立っていますね.
逆に一度も上陸しなかった年は
1984年, 1986年, 2000年, 2008年
の4つです.
平均して年間約2.9個の台風が日本に上陸しています, 接近・上陸する台風の規模にもよりますが, 概ね3個は上陸してるんですね.
なお統計上では7月時点での上陸数は約0.69個, 8月では一気に約1.72個となります.
8月までには1個は上陸するような台風が来る可能性は十分あるということですね.
年別の上陸数です.
1985年前後を底に一度減少し, 以降は平均の倍以上の台風が上陸する年が頻繁に起こっているとわかります.
〆
発生数や接近数を見るに, 「最近台風増えた」といった印象はあまり見られません.
しかし上陸数を見ると90年以降の増加が気になります.
この増加に至る理由はその年ごとの気候変動に大きく左右され, エルニーニョ・ラニーニャ現象, そしてモンスーンなどに影響してその進路や規模, 寿命が変わります.
従って上記のような過去の発生数等だけで評価できるものではとてもじゃないですがありません.
とはいえ「最近台風が増えた」という程度を説明するには十分でしょう, 最近増えたかどうか過去との比較で説明できるからです.