気づいてる人は既に気づいてるはず…はず.
コトのあらまし
ネタは福本伸行氏のギャンブル漫画, 賭博破戒録カイジです.
第一章で(物理的に)手痛い敗退をしたカイジが, ギャンブル狂から全く治っておらず案の定遠藤に騙されて地下送りとなり, その地下でも班長に搾取され, しかしながらその班長が地下唯一の娯楽「チンチロ」でシゴロ賽を使用しているのを見抜き, 出し抜く破戒録前半の終盤です.
四の目の裏は四, 五の目の裏は五, 六の目の裏は六…というシゴロ賽を班長グループ3人が密かに使いまわしていたのがバレた班長は何とかして弁明しますが, カイジは妥協したと見せかけてすべての面が一の目の「ピンゾロ賽」を振ります.
当然班長が「ばっかもーん!」とキレるんですが, 直前に特殊ルール(後述)を認めてしまっていたのを周りに指摘され, 更に帝愛グループ2位の黒崎の一声もあって従わざるを得ず, 結局普通の賽を選んで敗北します.
ルールを振り返る
あんまり内容を詳しく書いてもネタバレになる上記事と関係ないので置いといて, 必要なルールだけ羅列してみます.
なおチンチロは, 3つのサイコロを丼に投げ入れ, 出た目の組み合わせによって目, 役が決まります.
- 3回まで振ることができ, 目・役は216通り中108通り
- 目・役の強さは
- ピンゾロ(1のゾロ目)
- ピンゾロを除くゾロ目
- シゴロ(四五六)
- 通常の目
- 目なし
- ヒフミ(一二三)
- 親が役を出しても子は振ることができる
- 親の連続は2回まで(内容からすると, 一旦親を受けたら強制的に2回行う模様)
- 但し親1回目で1の目, 目なし, 丼から賽がこぼれた場合は2回目なし
- 掛け金の上限は2万ペリカ(=2千円), 但し親が受ければ青天井可能
班長2投目
1投目の時点で敢えてカイジが提案, 班長が同意した「班長の1投目を4の目とし, 前もって用意した特殊賽を仲間内で回して使う」という特殊ルールに従い, 大敗北したばかりの班長は2投目を強要されます.
4の目でピン賽に勝てるわけがなく嫌がる班長に対し現れた帝愛2位の黒崎はこう言います.
そうとも限らんぞ大槻くん…!
確かにこの勝負…シゴロ賽を使えば必敗…!
100%負ける勝負だが…
普通の賽を使えば引き分けの目も出てくる…!
ほど…!
それを聞いて青ざめる班長ですが, 以前から「念じれば(役が)出る」と公言していたため周りからも叩かれます.
1/216は正しいのか
やっと本題です.
簡単にいえば前述の は正しいのか?ということです.
ルールの通り, チンチロは最大3回振れます.
というのは明らかに「1回投げてピンゾロが出る確率」であり, 「3回投げてピンゾロが出る確率」ではないわけです.
1回目は外れて2回目に出る, 2回目まで外れて3回目に出る, この場合もありえるわけです.
班長1投目のあのやりとりがありながらなぜここに気づかなかったのかはたまたまなのかわかりませんが…
というわけで計算すると下のようになります.
ルールの通り, 3つの賽を投げて目・役の出る確率は
です.
それぞれ賽を投げる試行は互いに独立なので
(1回目に出る確率) +(1回目は外れて2回目に出る確率) +(2回目まで外れて3回目に出る確率)
…というわけで , およそ % ということになります.
の約 % に比べれば一桁上がってますがまぁ気休め程度ですね.
〆
久しぶりに読んでてふと思ったんです, 間違っていればご指摘を.