こんにちは, @the_theorierです.
今回はiPhoneを扱う上でいくつかの場面で出てくる「○○GB」の違いを書いておこうと思います.
というのも質問サイトなどでも明らかに勘違いしている方が未だに多いからです.
まぁユーザーが増えたから…ってのもあるんでしょうが…
単語が前後しますがご了承ください.
ストレージ
iPhoneにデータを保存したり読み出したり出来る領域です.
初期のiPod, 特にiPod Classicではパソコンと同じようにハードディスクを利用していましたが, iPhoneを含む現在のスタンダードはフラッシュメモリです.
これは「16GBモデル」とか「64GBモデル」のように既に決まっています, パソコンのように換装することはできません.
なおこれをROM(Read Only Memory)を呼ぶかは賛否あります, どう考えたって書き込みもできますし, そもそも読み書き出来るかに関わらずROMという呼称自体が世界的に見てもう少ないようです, 現在はInternal Memoryが多いそうです, 細かいことですが厳密には「フラッシュEEPROM」でしょうか.
そもそもこちらでは「ストレージ」なんて言ってもいるわけです, それにパソコンやAndroid機と異なり, iPhoneは基本的には外部記憶装置に頼らずにデータのやり取りをしています.
パソコンやAndoird機にとっては「補助記憶装置」でも, iPhoneシリーズにとってはある意味「メイン記憶装置」とでも言うべきでしょうか.
このような呼称は, 昔のそれをそのまま天下って使っている事が多く, まぁ突っ込んだら負け…な感じではあります.
そういう, 良くも悪くも「使いまわし」な部分は色んな場面にあります, これは場合によっては一気に仕様変更するとそれにすべてが対応するのに「割に合わない」という理由もあります.
容量を表現するのに10進接頭辞と2進接頭辞を混在させているのもその一つでしょう(多分).
さて細かい話は置いといて, 例えば写真を撮ったり動画を撮ったり, アプリをダウンロードしようとした際に上のようなポップアップが出る場合があります.
これは画像の通りでストレージの空き容量が少なくて保存出来ない状態ということで, 解決するには
- ストレージ内の何か他のコンテンツを削除して空きを確保する
くらいしかありません.
これに際しモバイルデータ通信の追加購入やiCloudの容量購入をしても全く意味がありませんので注意してくださいね.
メモリ
ストレージとは別に, 実際の演算処理を行うために使われる領域です.
一般にRAM(Random Acces Memory)と呼びます.
RAMの特徴は, 一般にROMと比べて
- 処理能力が速い
- 同コストに対する記憶容量が少ない
- 電源を切ると記憶内容が消える
であることです.
RAMとROMはよく「作業机と倉庫」に例えられます.
一般に作業は作業机でこなしますが, 倉庫に対して机なのでそんなにスペースはありません, 色んな作業を同時にこなそうとすると机が色んなモノでごちゃごちゃになります.
対して倉庫(ROM)にはたくさんのデータを管理しておけます, ただし作業は基本的に「作業机」でしかできませんので, データを扱うには倉庫と作業机を行ったり来たりすることになり, それだけ時間がかかります.
これもやはりiPhoneではそのシリーズによって固定されており, 換装はできません.
またパソコンやAndroid機などでは, メモリの空き不足を補うために, 本来RAMとして使わないROMをメモリとして扱うことが出来ます, これを仮想メモリと言います.
当然ROMで処理を行うので処理能力は良くなく, 作業が重かったりします, 状況によっては必要な場合もある救済処置のようなものです.
iPhone, iPodTouchにはありませんがiPadシリーズにはあるらしいです.
なお, スマホで扱うアプリは一様にメモリを食いやすいものと聞きます, よく「直ぐにメモリの空きが無くなる」と言いますがそういうものなので仕方ありません.
その対処として, iOSではホームボタンを押すなりして一旦抜けたアプリは基本的にiOS側が終了してくれるようになっています(バックグラウンド起動を許可しているアプリなど例外はあります).
空き次第では再び開く時に再起動してしまいますが, マルチタスクでなく, また仮想メモリの機能の無い環境での工夫なんでしょうね.
モバイルデータ通信
上記は基本的にデバイスの中でのやりとりです.
iPhoneでは3大キャリアを筆頭にキャリアと契約して3G, 4G(LTE)通信によるデータのやり取り, 例えばネットを閲覧するとか, アプリを購入する, オンラインゲームをする…といったことに使います.
このデータの相互通信はそれぞれのデータの大きさに応じてパケット単位で容量を要します, 例えば1MBの写真をSNSにアップロードするなら, それに応じた容量を消費するわけです.
契約によってその制限は様々ですが, 基本的には定額制で無制限であるのが一般的ですね.
そしてこれに関わるのが
- 3日間で1GBを超えると行われる通信速度制限
- 1か月7GBを超えると行われる通信速度制限
の2つの制限です.
これに引っ掛かると最大通信速度がガクンと落とされ, 解決するには次月まで待つ(キャリアにより多少違いあり)か, 追加料金を支払うことで通信量を追加購入するか…になります.
つまり速度制限されたからといってiCloudの容量を購入しても, ストレージの空きを増やそうと躍起になっても全く無意味です.
iCloud
iOS5のリリースと共に登場したオンラインストレージで, 無料で5GB, 追加購入で最大1TB利用出来ます.
iOS8となった現在, ある程度利用範囲が広がりましたが, 基本的にはその利用範囲は他のオンラインストレージとは性質が異なります.
利用者によってはiPhoneのバックアップに利用し, 場合によっては上のようなポップアップが出てくる場合がありますが, これはバックアップなどの処理に対しそのiCloudの利用可能な領域が足りないからです.
解決するには
- 既にiCloudに保存しているコンテンツを削除する
- バックアップの項目を減らす
- お金を払って保存容量を増やす
くらいしかありません.
これに際してキャリアなどが提供しているモバイルデータ通信量の追加購入をしても全く意味がありませんので注意してくださいね.
それぞれの関係を簡単に図にすると下のようになります, 参考にしてください.