もう一人のY君

iPhoneアプリのレビューやアップデートレビューなどを書いています. たまに数学の記事も書きます.

もう一人のY君 MENU  MENU

【ショートカット】空き容量からおよその撮影可能枚数を計算するショートカット

181020_00

 今回はデバイスの空き容量とデバイスを指定し, あと何枚写真が撮れるかをおおよそで計算するショートカットです.

 

ショートカット

ショートカット

  • Apple
  • 仕事効率化
  • 無料

※価格は記事執筆時のものです. 現在の価格はApp Storeから確認ください.

 レビュー時のバージョン : v2.0

 

スポンサーリンク

 

 

あくまでも「およそ」

 写真は撮影するデバイスによって異なりますがそれ以上に被写体によってサイズが大きく異なります.

 前者はまだデバイスごとに決まっているので問題ないですが後者についてはその時にならないと分かりません.

 あるときは1MBでも別のときは5MBかもしれません.

 

 従って空き容量が分かっていても具体的に「あと何枚」というのは未来の話なので誰にも分かりません.

 可能なのは統計量からおよその値を求めることです.

 

blog.thetheorier.com

  というわけで今回は過去に撮影した写真から箱ひげ図(図自体は作りませんが)を, つまり第1~3四分位数を求め, この値からおよその枚数を推定することにします.

 

 四分位数は標本のちらばりを評価する値の一つで, 第1~第3四分位数はそれぞれ評価の最小・最大値の区間における25%, 50%, 75%の点を指します(第2四分位数は中央値でもあります).

 従って第1四分位数から第3四分位数の区間は全体のちょうど半分を意味します.

 任意に取り出した標本は50%の確率でこの区間に入っているとも言えます.

 中央値も指標として使えるため今回はこの3つの指標を使います.

 

 なお後述もしますが3つの四分位数は手持ちのiPhone6で撮影したものを採用し, エクセルで計算したものになります.

 

 

フロー

 デバイスを選べるようにしたため全体がとても長くなっています.

 順をおって説明します.

 

 

四分位数を定義

181020_01

 まずは予め四分位数を設定するため各々に対して q1, q2, q3 という変数を与えます.

 具体的な値は採用する標本によって変わることは言うまでもありません.

 今回は結果的に

 

  • 第1四分位数:1.51563MB
  • 第2四分位数(=中央値):2.77441MB
  • 第3四分位数:5.29688MB

 

でした, つまり標本の半数は1.51563MBから5.29688MBの間であるということです.

 100枚程度から得た値のため大して信頼性はありません, 気になる場合はご自身の写真から求めた値に入れ替えてください.

 

 

デバイスを選択するメニューとデバイスごとの補正値を与える

181020_02

 続いてショートカットのメインになります.

 今回はiPhone 4以降とiPod Touch5, 6をそれぞれ選べるようにするため「、メニューから選択」で各デバイスを入力します.

 カメラの画素数が共通するものは一つにしたかったのですがモノによっては長くなってしまうため敢えて分割しています.

 「メニューから選択」の各選択肢にはサイズを補正する変数 d (dなのは適当です)を与えます.

 

 前述の通り今回はiPhone6で撮影した写真を元にしており, 他のデバイスは画素数の違いで純粋に比較しています.

 つまりiPhone6の画素数は800万画素, 例えばiPhone XSは1200万画素なので単純に { \displaystyle \frac{1200}{800}=1.5 } なのでもしiPhone XSを選択した場合は1.5倍してから計算する…という方式を取ります.

(このやり方が正しいかどうかはここでは議論しません)

 iPod Touch5の画素数は500万画素なので { \displaystyle \frac{500}{800}=0.625 } ですね.

 

 

181020_03181020_04

  これをすべての選択肢について行います.

 

 

使用可能容量を入力, 各四分位数を計算

181020_05

 上記までに基準となる四分位数とその補正値を得られたので, デバイスの使用可能容量を入力するために「入力を要求」アクションを配置, そして各四分位数について枚数を計算するために以下の順で計算します.

 

  1. 1024でかける(MB単位にするため)
  2. 四分位数qxで割る
  3. 補正値dで割る
  4. 補正後の四分位数として変数Qxに代入
  5. 端数処理(切り捨て)

 

 

181020_06

 2つめ以降は入力が変わっているため「変数を取得」のアクションで「入力を要求」にある使用可能容量の値を呼び出しておく必要があります.

 

 

181020_07

 3つ目の四分位数まで終えたら「結果を表示」などのアクションで結果を表示します.

 

 

実行

181020_08

 実行すると, 最初にデバイスを選択するようになります.

 その後使用可能容量を入力するポップアップが出てきます, なので設定アプリから予め使用可能容量を控えておきます(この値もアクションで取得できると良かったんですが今のところ対応していないようです).

 

 

181020_09

 今回の場合iPhone6, 空きが32.65GBの場合Q3-Q1の値が6311~22059, 中央値は12050でした.

 標本と同じ撮影結果であれば50%の確率で残り枚数が6311~22059枚, 中央値で12050枚であることを意味します.

 

 

 全体がとても長いですがやっていることはシンプルな計算のみです.

 一から作るのは大変なので以下にリンクを貼っておきます.

 

https://www.icloud.com/shortcuts/c7c45d0fbc054ae89860d67a4b5d58fe