もう一人のY君

主にiPhoneのショートカットアプリのレシピやTipsなどを書いています. たまに数学の記事も書きます.

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僕が見つけた数学の定理, 推論

Last modified:2018.03.27

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 結構前に二項係数剰余という名で紹介したものがありましたが, その過程で見つけたものを紹介するのを忘れていました.

 証明できていないものもあるのでモノによっては定理でなく「推論」に留まります, また既知であって, 僕が知らなかっただけの可能性も当然あるかもしれません.

 

 僕より頭の良い方があっさり証明してくれると嬉しいです.

 

 「それが何に使えるのか?」なんて突っ込みは数学では邪道です.

 

[Contents]
 

 

二項係数剰余

thetheorier.hatenablog.com

 既に一部証明済みの二項係数剰余についてはこちら.

 これも一部未証明です.

 

 

既知の定理

 予め必要な, 既知の定理を紹介しておきます.

 

 

ウィルソンの定理

素数 { \displaystyle p } について,

{ \displaystyle (p-1)! \equiv -1 (\bmod p) }

 合同式を扱って少しすれば触れられるかもしれません.

 

ライプニッツの定理

素数 { \displaystyle p } について,

{ \displaystyle (p-2)! \equiv 1 (\bmod p) }

 これは { \displaystyle \gcd (p-1, p) = 1 } であることから, ウィルソンの定理の両辺から { \displaystyle p-1 \equiv -1 (\bmod p) } を割ることで直ちに得られます.

 (´-`).。oO(ライプニッツと名のつく定理や公式はたくさんあるんですよね…それほど便利な定理や公式をたくさん生みだしたってことですが…)

 

 

定理

 証明済みか未証明かはバラバラです.

 

 

Thm1

奇素数 { \displaystyle p } について

{ \displaystyle (p-3)! \equiv \frac{p-1}{2} (\bmod p) }

 Thm1 の証明

 ライプニッツの定理より,

{ \displaystyle (p-2)\times (p-3)! \equiv 1 (\bmod p) }

{ \displaystyle \Leftrightarrow (-2)\times (p-3)! \equiv 1 (\bmod p) }

{ \displaystyle \Leftrightarrow (p-3)! \equiv -\frac{1}{2} \equiv \frac{p-1}{2} (\bmod p) \square }

 ウィルソンの定理からライプニッツの定理を導く要領と同じですね.

 

 

Prop2

素数 { \displaystyle p (\geq 5) } について,

{ \displaystyle  (p-4)! \equiv \left\{ \begin{array}{ll} \frac{p+1}{6}  \verb|if| p \equiv -1 (\bmod 6) \\ -\frac{p-1}{6}   \verb|if| p \equiv 1 (\bmod 6) \end{array} \right. }

Prop2について

 いくつかを検証してその傾向を見つけたに留まります.

 証明できるのかは不明.

 

 

Prop3

素数 { \displaystyle p } と自然数 { \displaystyle n (\leq p) } について,

{ \displaystyle \frac{1}{(p-n)!} \equiv (-1)^{n}(n-1)! (\bmod p) }

Prop3について

 例えば { \displaystyle p = n } のときはウィルソンの定理になります.

 そういう意味では拡張に見えますがどちらにも階乗がありますから計算量が減るかは微妙なところです.

 これもやはり未証明.

 

 

Thm4

奇素数 { \displaystyle p } について,

{ \displaystyle \frac{1}{2} \equiv \frac{p+1}{2} (\bmod p) }

Thm4の証明

 ほとんど自明ですね.

 { \displaystyle 1 \equiv p+1 (\bmod p) }

ですから, この両辺に { \displaystyle p } と互いに素である { \displaystyle 2 } で割るだけです. { \displaystyle \square }

 一応 { \displaystyle p = 2 } でも成り立つんですけどね, 証明の過程で「{ \displaystyle 2 } で割る」と書いてしまったので除いてあります.

 

 

Prop5

奇素数 { \displaystyle p } について,

{ \displaystyle  \frac{1}{3} \equiv \left\{ \begin{array}{ll} \frac{p+1}{3}  \verb|if| p \equiv -1 (\bmod 6) \\ -\frac{p-1}{3}   \verb|if| p \equiv 1 (\bmod 6) \end{array} \right. }

Prop5の証明

 未証明.

 

 

Prop6

奇素数 { \displaystyle p } について,

{ \displaystyle  \frac{1}{4} \equiv \left\{ \begin{array}{ll} \frac{p+1}{4}  \verb|if| p \equiv -1 (\bmod 4) \\ -\frac{p-1}{4}   \verb|if| p \equiv 1 (\bmod 4) \end{array} \right. }

Prop6の証明

 未証明.

 

 

Prop7

奇素数 { \displaystyle p \geq 5 } について,

{ \displaystyle  \frac{1}{6} \equiv \left\{ \begin{array}{ll} \frac{p+1}{6}  \verb|if| p \equiv -1 (\bmod 6) \\ -\frac{p-1}{6}   \verb|if| p \equiv 1 (\bmod 6) \end{array} \right. }

Prop6の証明

 未証明.

 まぁThm4とProp5から導かれるはずです.

 

 

Prop8

奇素数 { \displaystyle p \geq 5 } について,

{ \displaystyle  (p-4)! \equiv \frac{1}{6} (\bmod 6) }

Prop6の証明

 未証明ですがProp2とProp6から導かれるはず.

 

 

Prop9

奇素数 { \displaystyle p } とその原始根 { \displaystyle r } について,

{ \displaystyle \mid \verb|Ind|_{r}(\frac{p-1}{2}) - \verb|Ind|_{r}\frac{p+1}{2} \mid = \frac{p-1}{2}  }

Prop9の証明

 これは指数表の一部を明らかにする式でもあります, 未証明ですが.

 そもそも原始根って何?って話ですよね, いづれ紹介したいんですがうまいこと書けなくて伸び伸びになってます.

 

thetheorier.hatenablog.com

 書きました.

 

 

Prop10

 奇素数 { \displaystyle p } について,

{ \displaystyle \left\lfloor \frac{p}{2}\right\rfloor^{-1}\equiv -2\pmod{p} }

 { \displaystyle \left\lfloor \dots \right\rfloor } は床関数, つまりガウス記号です.

 実は随分前に見つけたもので, どうしてこんなのを見つけたのかすら覚えてません…

 

 

Prop11

 奇素数 { \displaystyle p } について,

{ \displaystyle \left\lfloor \frac{p+1}{2}\right\rfloor^{-1}\equiv 2\pmod{p} }

 Prop10に続き, パッと見簡単に見えて見当がつきません.

 

 

 暇な方は是非チャレンジ.

 

 

追記

 Prop2について以下を訂正しました.

 

×:{ \displaystyle \frac{p-1}{6} }

◯:{ \displaystyle -\frac{p-1}{6} }