iPhoneでもiTunesでも良いのでデバイスの容量を見てみると, モデルにある表記よりも実際に使える量は少ないことがわかります.
例えば上の画像は僕のiPhone6で設定アプリの[一般] > [情報] から確認したものですが, 64GBモデルなのに59.18GBとなっています.
位取り記数法
この理由の一つはまずは位取り記数法にあります.
我々は日常で十進法を使っていますが, データの世界では0と1を用いる2進数を用いた方が都合がよいため, K(キロ)やM(メガ)などの単位が日常のそれと異なります.
この1024というのは のことですね.
ちょうど1000に近く, また指数も10ということでキリが良いです.
例えば日常の解釈では1GB=1000MBと考えるものですが, 内部では1GB=1024MBとして扱っています.
この場合は「2進接頭辞」と呼ばれ, 本来であれば10進法のそれと区別するためにGi(ギビ)やMi(メビ), Ki(キビ)などと呼ぶのですが, 慣例なのか同じ扱いをしています.
それが混乱を生む原因となったわけですね.
OS X および iOS でのストレージ容量の表示方法OS X または iOS に表示される容量が、製品仕様に書かれているストレージ容量より小さいのはなぜかについて説明します。
この辺りの事情はAppleも説明しています.
つまり表記上は
( はバイト, )
ですが, 内部では を要して繰り上がるため, より大きな単位表記の上では小さく見えるのです.
具体的に, 64GBモデルで考えると, 実際の容量はこの1億倍である であり, これを2進接頭辞に直すと
となり, 記事トップに見える とかなり近いですね.
iOSや標準アプリなど
もう一つの要因として, 基本ソフトであるiOSと標準アプリなどが考えられます.
実際に利用できる容量は仕様を下回り、多くの要素によって変わります。標準構成では、モデルと設定に応じて、約4GBから6GBの容量(iOSと内蔵アプリケーションを含む)がすでに使われています。
例えばiPhone7のページ最下の補足2にある通り, iOSと内蔵アプリケーションを含め様々な要素によって一様に4~6GBが既に使われています.
これは上記の位取りとは全く別に起因するものですから, この4~6GBというのがどちらかは兎も角(こういう場合は2進接頭辞として使われていると思いますが)これだけの容量が更に「引かれる」事になります.
因みに僕の iPhone 6(iOS10.1.1)での, iTunesで確認できる「最大容量」は画像の通り55.12GBです.
先程の約59.61GBから引けば約4.48GB, 大体合ってるようですね.
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推定値
仮に上記のようなiOSその他で引かれる分が4.5GBであったと仮定するならば, 各モデルでの最大容量は次のようになるはずです.
16GB | 10.40GB |
---|---|
32GB | 25.30GB |
64GB | 55.11GB |
128GB | 114.71GB |
256GB | 233.92GB |
どうでしょう? そこそこ近かったでしょうかね.
もちろんお手持ちのモデルやバージョンによって条件は様々です.
〆
このように, モデル表記と内部表記では進数の事情で, またiOSなどの分である程度引かれていることがわかります.
まぁ前者については間違いとも何とも言い難いんですけどね, 初期の慣例・都合から簡単に抜け出せない事情があるのです.
こういった事情は何もiPhoneに限らず, 他のスマートフォンや例えば外付けハードディスク, USBメモリなどについても言えることです.
ということですので「○○GBを買ったのに△△GBしかない!」とならないよう気をつけましょう.