とうとうiOS15がリリースされました.
それに伴いショートカットアプリもいくつか追加や変更がなされています.
※価格は記事執筆時のものです. 現在の価格はApp Storeから確認ください.
レビュー時のiOSバージョン : iOS15.0
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動作
手持ちのiPhone8である程度動かしたところ, 残念ながら良くありません.
まだ全部確認したわけではないですが以下の現象を確認しています.
- 一定の条件を満たす(?)と、同じ操作で必ずクラッシュする(例:変数の名前を書く、それも特定の一文字で必ずアプリが落ちます)
- iOS14.xと比べて全体的な処理速度に違いは感じられないものの, 少なくとも「計算式」アクションの処理にこれまで以上に時間がかかる
- アクションを削除するための「×」ボタンの反応が悪い
まだあるかもしれませんし他の方で同じことが起こってない場合もありえます.
iPhone8はiOS15をサポートする機種の中ではかなり古い方である影響も考えられます.
追加・変更されたアクション
続いて機能追加されたり仕様変更されたアクションについてわかる範囲で書き下しておきます.
日付などのセレクトボックスがドラム型に
日付などのセレクトボックスが, 多くのユーザーに不評だったカレンダー型からドラム型に戻りました.
ドラム型自体も評価は良くないものの, iOS14でのあの仕様に比べれば遙かにマシです.
とくに日付の選択はともかく, そこから時刻を指定するのにわざわざキーボードを出して打ち込まないといけない, 加えて端末によっては肝心の時刻表示がキーボードに隠れて見えないという余りにも酷いものでした.
なお, リストから選択する際の仕様は前回と同じでした.
大量の項目から選ぶ際にフィルタなどを使う手間は今後1年引き続きかかるようです., 残念.
設定
設定アプリのショートカットのページにオプションが追加されました.
- スクリプトの実行を許可
- 大量のデータを共有することを許可
- 確認なしに削除することを許可
- 大量のデータを削除することを許可
うっかりミスを防いだり, セキュリティ上のものと考えることができます.
いづれもアップデート時はオフになっています, 必要に応じてオンにしましょう.
停止して出力
新しく追加されたアクションの1つ目です.
「ショートカットを終了」と異なり, 現在のショートカットの実行を停止した上で, 指定内容を出力させることができます.
自己完結型のレシピでは余り使わないかもしれませんが, 他のレシピに値を渡したい場合, 好きな場所でこのアクションを使って元のレシピの入力として渡すことができます.
イメージからテキストを抽出
予め出力しておいたイメージを指定し, テキストを抽出するアクションです.
シンプルにレシピを組むなら画像の通りです.
ただこのアクション, 正直OCRとしての性能はよくなさそうです.
日本語はおろか手書きの1が斜めになったり2の最後がちょっと伸びただけで画像の有様です.
ファイル・フォルダ
iOS15ではファイルやフォルダをシンプルに出力するだけのアクションが追加されています.
マジック変数も使えますが使う場があるかは今は思いつかないですね.
「ファイル」の方は問題ないのですが「フォルダ」の方はなぜか説明も含めて英語表記になっています.
ファイルの名前を変更
指定したファイルの名前を変更します.
このアクションだけでは保存されないことに注意です.
「ファイルを移動」アクションは指定のファイルを好きなフォルダへ移動させます.
移動先に同名ファイルがあった場合のオプションもあります.
フォルダの内容を取得
「フォルダの内容を取得」は, 指定したフォルダの内容すべてを出力します.
iOS15ではファイルやフォルダの指定にファイルピッカーを使う機会が増えている印象ですね.
表示が隠れたままですが, オプションにある「再帰的」というのは, 指定したフォルダのすべてのサブフォルダのコンテンツを含むかどうか…を指定するものです.
フォルダからファイルを取得
iOS14までは「ファイルを取得」という名前のアクションでした.
これまではShortcutsフォルダにあるファイルに限定されていましたが, iOS15ではiCloud内のShortcuts以外のフォルダにもアクセスできるようになっています.
それに伴い, 「フォルダ」と「ファイルパス」をそれぞれ指定する仕様に変わったようです.
入力枠の1つ目にファイルパスを, 二つ目の枠にフォルダを指定します.
画像の場合は「ショートカット」フォルダにあるtmp_image2/01-prefs.pngを指定しています.
なお二つ目のフォルダ枠は, 項目を削除するとデフォルトで「ショートカット」となります.
iOS14→iOS15では自動的にこうなっています.
ファイルピッカーでフォルダを指定すると, 「ショートカット」でなく「Shortcuts」になります, どちらも同じフォルダなので問題ありません.
iOS14の「ファイルを取得」との比較です.
フォルダである赤枠とファイルパスである青枠の位置関係が逆転していますね.
そもそも日本語がおかしいです, 「"フォルダ"の"ファイルパス"からファイルを取得」の方がまだスッキリします.
これまでShortcutsで固定だったフォルダが自由に指定できるようになったため, ファイルの位置によって「フォルダからファイルを取得」の「フォルダ」と「ファイルパス」の組み合わせが複数通り考えられるようになりました.
今回の場合iCloud以下のファイルパスは
Shortcuts/tmp_image2/01-prefs.png
ですから, フォルダとしてShortcutsを指定してもいいですしその下のtmp_image2でもよく, ファイルパスはそれに応じて変わります.
結果今回の場合画像の3つのアクションはすべて同じ結果を返します.
この仕様変更はファイル指定における汎用性を高める結果となりました.
どういう名前か, 作成した時点で確定していない場所からはファイルパスの方で指定して分けることができます.
共有
「共有」自体はこれまでもありましたが, 共有から受け取る入力の種類の指定がレシピ側から行うよう変更されています.
また受け取った入力がない場合のアクションを選択できるようになっています.
例外処理として対応させて終了したり, 「入力を要求」で入力を手打ちしたりクリップボードを入力として渡すことができます.
デバイスの詳細
「デバイスの詳細」はすでにアクションとして存在しますが, iOS15ではマジック変数と並列して使えるようになっています.
もちろん「デバイスの詳細」アクションも残っています.
〆
アクションによってはフォームがかなり変わっているため混乱すると思います.
「フォルダからファイルを取得」のように位置関係まで変わってしまうと双方異なるバージョンで見たとき「そのまま参考にする」ことすら難しくなるので露骨な変化は避けてほしかったですね.
アプリの動作不良についてはまだ初日なので確実な情報がありません.
β版で報告されたケースがすべてとも限りませんので少し待ちましょうか.