もう一人のY君

iPhoneアプリのレビューやアップデートレビューなどを書いています. たまに数学の記事も書きます.

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【iPhone 6】iOS11.2.2によって動作が落ちたのか? ベンチマークスコアを定期調査

Apple iPhone benchmark

 先日AppleがiOS11.2.2をリリースし, 脆弱性Spectreに対する緊急の対応を行いました.

blog.thetheorier.com

 このアップデートにより, 動作がiOS11.2.1と比較してベンチマークスコアで4~5割低下したという記事が報じられたのがきっかけです.

 

 

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きっかけとなった記事

iPhone performance benchmarks after Spectre security update | Melv1n

Apple released iOS 11.2.2 update to address Spectre security issues. I've benchmarked my iPhone 6 before and after the security fix. There is a significant change in iPhone performance. Click to see the performance change and what you can expect.

 それがこの記事です.

 

 実際はそのデバイスが低電力モードになっていたのが原因のようで, 他メディアの計測では大きな変化は見られなかったことが既に判明しています.

 

【iPhone】iOS11.2.2で動作が必ず遅くなる訳では無い

先日リリースされたiOS11.2.2では、脆弱性Spectre(スペクター)に関する対応が行なわれていますが、セキュリティ強化の影響を受けてiPhone6のベンチマークスコアが下がったと話題になっています。 今回の話題を受け、一部では「iOS11.2.2にアップデートするとiPhoneの動作が4割、5割遅くなる」といった認識が広がりつつあるようですが、これは誤りです。 …

 

 

定期的に測ってみた

 というわけでここでは定期的にベンチマークを測定し, 実際にどう変化しているかを確認してみることにします.

 とは言ってもiOS11.2.1のデータは2つしか無く, iOS11.2.2以降のデータの多くはアップデートを行った3日後のものが大半を占めます.

 それでも中々興味深い結果となっていますので参考にしてください.

 

 なお計測はおおまかに15~30分間隔となっています.

 データは(僕が飽きるまで)追加しますので, 現時点では2日半分程度しかありませんがそのうちそれなりのデータ数になるでしょう.

 

 

 下のスライダを動かすことで見たい時間枠を切り替えられます.

 一応書かれてますが

 

  • 赤:シングルスコア
  • オレンジ:シングルスコア(iPhone6の標準スコア:1463)
  • 青:マルチスコア
  • 緑:マルチスコア(iPhone6の標準スコア:2459)

 

となっています.

 またiOS11.2.1のアップデートが2017年12月14日, 同じくiOS11.2.2が翌年1月9日となっています.

 各々にある2データはそれぞれアップデート前後のスコアとなっています, 1回計測しただけですが…

 

 

 こっちはもっと見やすく横幅を800pxにしてあります.

 PC表示(サイドバー無し)で程よい大きさだと思います.

 

 

Geekbench-score - Google Fusion Tables

by thetheorier

 好きなサイズにしたい場合はこちらからアクセスして, URLの末尾にある

 

…Column=true&width=1000&height=600

 

のwidth(横幅)とheight(高さ)の値を任意で変更して更新してください.

 

 

結果

 計測した結果を見てみましょう.

 

180116_01

 こちらは2018年1月15日から翌16日朝までのキャプチャです.

 たった1日でもかなり変動していることがわかりますね, 15日だけのデータで統計量を取ると以下になりました.

 

シングルスコア  最小値  573 
最大値  1440 
平均  1156.2 
中央値  1219 
マルチスコア  最小値  831 
最大値  2317 
平均  1787.725 
中央値  1869.5 
最小差  141 
最大差  1137 

 最小値については早朝の影響がありそうですがグラフだけでも分かる通りかなりのバラつきがあるのがわかります.

 シングル・マルチの差を取ることに意味があるのかは分かりませんが小さいものはたった141しか離れていませんでした.

 

 

180116_02

 箱ひげ図は画像のようになりました.

 早朝のデータを異常値と見なすには大きく差はないため含みましたが, やはり下のひげがどちらも長めですね.

 またマルチスコアの分布がシングルスコアとくらべて2倍程度広めとなっています.

 

 気温その相関も気になる一つですが, マルチコアの結果を見ると少なくとも大きく影響する要素ではなさそうです.

 

 標準スコアに対する割合で言うと, 平均値でシングルスコアが79.02939%, マルチコアが72.70130%でした.

 日にちによって多少傾向が異なるので一概には言えませんが, どちらかというとマルチコアが一様に低下しがちな印象を受けます.

 

 

 アップデート時にも紹介した僅かな計測結果でも, 僕のiPhone 6ではスコアが落ちるどころか寧ろ上がっています.

 また一時的に急激にスコアが落ちることも確認できたはずです.

 しかしデバイス一つではとても一般論を語ることはできないのもまた事実です, 逆に言えばそういう意味では高々1台2台の, 1回2回の計測ではとても参考にならないということです(言うまでもなくこれはGeekbenchの問題ではなく, それを人がどう評価したか…という問題です).

 

 そもそも動作に影響を与える要素はこれだけではありません.

 OSのアップデートはもちろんですが, 仮にそうならばアップデートしたデバイスすべてに及ぶのか, 特定のデバイスだけなのか, それともアップデートした事実は関係ないのか(別にあるのか)…を考えるべきでしょう.