もう一人のY君

iPhoneアプリのレビューやアップデートレビューなどを書いています. たまに数学の記事も書きます.

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iPhone8のバッテリー寿命の減衰2年間の記録【iPhoneショートカット】

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 同一端末で記録を録って2年が経ちました.

 

 

ショートカット

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  • Apple
  • 仕事効率化
  • 無料

※価格は記事執筆時のものです. 現在の価格はApp Storeから確認ください.

 レビュー時のiOSバージョン : iOS15.3

 

 

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おさらい

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 我々が通常知りうる「バッテリーの状態」は設定アプリから確認できる画像の値です.

 この数字が「本来のバッテリー最大容量あたりの現在のバッテリー最大容量の割合」であろうことはまず間違いないと思います.

 

 

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 それらのデータは、ユーザーが許可することで毎日端末に記録されていきます.

 その中からバッテリー寿命に関わる3つのデータを主にまとめます.

 

 結果を見ながら説明しましょう.

 

 

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 ちなみに計測しているiPhone 8を購入したのは2020年1月21日のことです.

 

 また、前回の投稿では2020年6月1日からのデータでしたが、隔日とはいえ同年初頭のデータを見つけたのでそれも加えてあります.

 

 

3つのデータについて

 最初にバッテリー寿命に関する3つのデータを簡単におさらいします.

 

  • nominal_charge_health
    解析データにあるバッテリーの名目容量で、バッテリー寿命と合わせるために端末ごとに決まった公式のバッテリー寿命、解析データだとキー"com.apple.power.battery.design_capacity"の値(iPhone8だと1810)による割合として%計算されています
  • raw_max health
    バッテリー容量のうち「実質容量」に相当します
    こちらも上と同様1810で割って%計算しています
  • MaximumCapacityPercent
    解析データにあるキー"com.apple.power.battery.MaximumCapacityPercent"の値で、設定アプリの「バッテリーの状態」から確認できる「最大容量」の値のことだと思われます(100を超える場合を除き、統計を取ったすべての値が一致)

 

 

 

結果

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 端末を購入した日から記録を始めるまでに2週間ほど空白がありますが、グラフ左端が購入時点であると見なして概ね十分です.

 2020年は5月までのデータに多くの抜けがあるため傾向が掴めませんが、3つのデータは概ね少ない誤差で推移していますが、冬季、とくに12月から2月にかけて"raw_max health"、つまり実質容量が他に比べて露骨に下がっているのがわかります.

 

 対してそれ以外の時期に極端な変化は見られません.

 

 

 

 

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 上の画像では見やすくするために縦軸の値の範囲を操作していますが、原点を含めた全体を見ると画像のようになります.

 こうして見ても冬季の減少ははっきりわかりますが、そこまで露骨であるようには見えなくなりましたね.

 

 

 

 

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 名目容量と実質容量の関係をよりわかりやすくするために、デフレーターとして計算したのが画像です.

 11月あたりから実質容量の変化が始まっているのがわかります.

 変動幅はおおよそ4%前後、今回計測した中でもっとも大きいのは今年の1月16日で116.91%でした.

 つまり名目容量より実際には17%弱少なかった…ということですね.

 

 

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 ベンチマークが夏季に弱いのに対し、バッテリーは冬季に弱い…ということになります.

 

 

 

 

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 他を取り除いた、通常のバッテリー容量(バッテリー寿命)だけのグラフも見てみます.

 見ての通り、線形に減るわけでなく、不定期に減っていきます.

 バッテリーがヘタる原因は端末の使いすぎだったり推奨される環境以外で使用する頻度が多かったり様々なので一概にこれだ…というのはありません.

 ガッツリゲームを楽しんでも減らないケースもあるくらいです.

 

 自分の場合は画像にあるように、2週間ちょっとで4%減るときもあれば、194日間、つまり半年以上ずっと変わらないときもありました.

 

 

 iOSのアップデートによる影響が数字に出てこないものか…と思いながら計測を続けていましたが、明確なものは確認できませんでした.

 それ以上に寒さによる影響のほうが顕著ですね.

 1年だけの計測では推測するにも不十分ですが、2年経ったことで一定の評価が(自分の中で)できたことでとりあえず満足です.

 このまま3年4年…と続けて、同じ傾向になるかどうか注視していくことにします.

 

 なお、同じ傾向が他の端末で起こる保障はありません.

 こういった命題の真偽をより明白化するためには長期間の計測だけでなくより多くの端末で行うことです.