もう一人のY君

iPhoneアプリのレビューやアップデートレビューなどを書いています. たまに数学の記事も書きます.

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【iPhone8】購入後約3年間のベンチマーク推移【Apple】

 手持ちのメイン端末であるiPhone8のベンチマークを記録してはや3年が経ちました.

 

 

 

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ベンチマークは揺れるもの

blog.thetheorier.com

 計測するデータは常に変動しているため, 一度ニ度の計測結果に統計的な価値はありません.

 なので計測値は原則以下のようにしています.

 

  • 計測時刻 → 9:00頃
  • 計測回数 → 最低5回
  • 計測値  → 上記の平均値

 

 

 

Geekbench 5

Geekbench 5

  • Primate Labs Inc.
  • ユーティリティ
  • ¥120

 ベンチマークの計測には変わらずGekkbenchを使用しています.

 

 今回の計測期間は2020/2/18~2023/2/22です.

 

 

結果(全体)

 まずはすべての値を一緒に見てみます.

 青がシングルコア、赤はマルチコア、オレンジはComputeで、Geekbench公式にある平均値を基準にした値です.

 緑は気象庁の公式サイトを参照した岐阜市の平均気温を相対変形した値で、ベンチマークスコアに合わせて上下反転させています.

 具体的には平均気温Tに対して

 

 \frac{100(60-T)}{60}

 

としていますが、全体を見やすくするために作ったものなので式自体に深い意味はありません.

 つまりいづれの値も実測値そのものではないということを配慮した上で評価してください.

 

 昨年末に調子を崩したのでデータに抜けがありますが、変わらずマルチコアとComputeについては気温とある程度の相関が見られます.

 

 

blog.thetheorier.com

 バッテリー寿命と同様、年を経るにつれ値の推移に粗さが確認できます.

 

 またバッテリー寿命では夏の変化はあまり見られず、冬季に一時的な劣化が見られることを先日紹介しましたが、ベンチマークについては一年を通して気温との相関があり、また劣化については冬季でなく夏季にみられることがわかります.

 

 スコアの結果が実際に体験する動作の如何にどの程度影響するかはそれはそれで感じるのは難しいですが、少なくとも相対的な評価として

 

  • ベンチマークは夏季に一時的に劣化する
  • バッテリー寿命は冬季に一時的に劣化する

 

という結果が得られました.

 これに加えてバッテリーそのもの、あるいは各種部品の経年劣化、使い方等々で実体験での劣化をもたらすと考えられます.

 

 

 今度は別々に見てみます.

 

 

 

シングルコアと気温

 シングルコアはiPhone8の場合おおよそ750~935という値を推移するため、上のグラフでは目立ちづらいです.

 グラフの通り、寒くなってもある程度の上限を超えることはありませんが、暖かくなるにつれスコアを落としていきます.

 一年目の晩夏に異常な変化を起こしたため評価が難しいですが、年を経るごとにスコアの下がる期間と規模が広がっているのがわかります.

 

 

 

マルチコアと気温

 次はマルチコアと気温を取り出したものです.

 マルチコアはiPhone8の場合概ね2000前後の値になりますが、シングルコアに比べて幅は広く、1000~2500あたりを推移します.

 結果の通り、こちらはシングルコアと比べ気温とのよい相関が見られます.

 またマルチコア自体も「山」と「谷」そのものがだんだん下がっているように見えます.

 特に「谷」は顕著ですね.

 新しいiOSに追いつけずそれがスコアの鈍化に繋がっているんでしょうかね.

 

 

 

Computeと気温

 次はComputeと気温の関係です.

 マルチコアに比べると鈍いですが気温とある程度の相関が見られます.

 劣化そのものについてはシングルコアやマルチコアに比べて鈍いようです.

 

 

 

デフレーター

 次はそれぞれのベンチマークと気温の関係を比率で見てみます.

 つまり

 

 \frac{\text{各種ベンチマークスコア}}{\text{気温}}100

 

 という値の推移を考えます.

 上で触れた通り、特に気温については実測値そのものではないので比率の値そのものでなく、それらの変化についての評価となります.

 

 

シングルコア

 まずは気温に対するシングルコアの推移です.

 暖かくなるにつれ値が大きくなる、つまりベンチマークが下がり、8月あたりがピークとなって1月頃に結果的にはもっともよい状態となっていくのがわかります.

 しかしバッテリー寿命の方は寒くなるにつれ一時的な劣化を起こします.

 条件が整えばあっという間にバッテリーが減っていく原因の一つでしょうね.

 また1年目2年目に比べ3年目の「山」に粗さがあります.

 

 

 

マルチコアと気温

 次はマルチコアと気温によるデフレーターです.

 シングルコアより鈍くなりましたがそれでも冬季より夏季のパフォーマンスが良いことがわかります.

 

 

 

Computeと気温

 最後にComputeと気温です.

 こちらはシングルコアと同程度の推移に見えますが極端な劣化を感じません.

 

 

 

 バッテリー寿命も82%となって目に見える劣化をベンチマークでも確認できるかと思ったのですが意外とそれほどでもありませんでした.

 

 実際使っていて動作にもたつきを感じることはほとんどないんですよね、例外を挙げるとすればショートカットアプリくらいです.

 特にアクション数の多いレシピの編集はそれなりにカクつきます.

 まだわかりませんが時期iOSに対応しないであろうiPhone8もまだまだ現役ということですね.

 発売と当時に購入して記録すれば今頃は5年以上の記録が取れていたと思うと色々ともったいないというのがあります.

 

 できれば同機種・他機種関係なくこうして記録している人がいるといいんですけどね.

 たった1台の記録ではどうしても信頼に足る評価を得るのは難しいです.

 

 それでもベンチマークスコアやバッテリー寿命を具体的に記録することは、巷に溢れる「バッテリー節約の方法」「○○してはいけない」といった類が本当に正しいのか、正しいとしても他にも要因があるのではないか…といった疑問にある程度の回答を与えることができます.

 

 

Geekbench ML

Geekbench ML

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 ちなみに今回のグラフはGeekbench6を使っており、合わせてこちらのGeekbench MLでも記録しています.

 まだ1年ちょっとなので2年分たまったら記事にする予定です.