もう一人のY君

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【数学】証明などでは「人に読んでもらう」ことを意識するべし

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 まだ証明問題に慣れていなかったり苦手な人には数学の大きな壁の一つですよね.

 

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証明とは

 そもそも証明とは, 論理学で言えば「過程の取り除かれた演繹」を指します.

 定義や公理, あるいは既に証明された定理や仮定などを用い, 演繹と呼ばれる推論規則を用いて対象の命題が真であるか偽であるかを明確にします.

 

 演繹(論理)とは, 予め定められた(一般的)規則に則って, 定義域(大前提)や仮定, 場合によっては証明済みの定理を用いて個々の結論を導く論理を言います.

 

 因みに帰納(論理)はその逆に, 個々の結果から一般の法則を見出す論理です.

 

 

数学に求められる「力」

 数学は計算だけやればよい, 理論だけやればよい…というのは誤りで, 双方重要でありまた他にも求められる力があります.

 

 未だ受験偏向の呪縛から逃れられない日本の教育に対し, 海外によってはただ結果を, 数字を求めるのではなくそれを如何に活かすか, 社会に影響たらしめるかに注目し, 主要能力(キー・コンピテンシー)の確立, 実践を求め, OECDによって20世紀末から枠組み作りを行い, 結果に繋げるべく関連国は実行しています.

 

 単なる知識・技術の積み重ねではなく, その先を見据えた応用力・適応力, 様々な課題を実際に解決する力などを整理したものです.

 

 なおこのキー・コンピテンシーは数学に限ったものではありません. 解決するべき課題や自らを活かす「先」に必要なものは数学だけとは限らないからです.

 

 しばしば言われる「数学は将来役に立たない」は, 一般論ではなく, ただ個々人がそれを活かす力を持っていないだけです.

 役に立つかどうかはその時々の結果論に過ぎません.

 しかし我々はすべてを学ぶ力や時間はありません, なので自分の判断で取捨選択するしかありません.

 

 役に立たないと決め込んでやらないのと取捨選択して選ぶ・選ばないでは話が違ってきます.

 

 

書くべきか,書かざるべきか

 問題を解くとき,

 

  • 〇〇を書くべきか
  • その書き方で相手に伝わるか

 

など色々迷うことはあると思います.

 

 基本的に数学というのはある意味では国語です.

 ただ計算結果を書けば済む問題ならまだしも証明問題ならそうは行きません.

 自分の中では分かっていてもそれを相手に伝わるよう書き表せなければ不正解, 良くて減点です.

 

 こうしたいときはどう書くべきか…云々は基本的には教科書や参考書を参考にすると良いでしょう.

 前者は場合によっては簡略されてしまって参考にならないこともしばしばなんですけどね…

 

 

質問サイトは自らを鍛える場

 過去にはよろしくない使い方で話題になった知恵袋など, 質問サイトは利用されないか質問者の立場の方が多いかもしれません.

 しかし解釈次第では自身の理解度や応用力を測ったり実際に影響たらしめるキー・コンピテンシーを養う格好の場とも言えます.

 スマホで勉強できる環境は広がりつつありますが学生のうちにコンピテンシーに関わる機会はまだまだ多くありません.

 良い意味で自分のためになるなら活用するに越したことはありません.

 

 

 キー・コンピテンシーの考え方自体は良いですが, 残念ながら教師だって人間です, 急に都合の良い教育方針に倣うるわけではありません.

 日本の方針転換の鈍さも考えると尚更学校だけに頼る・期待することは難しいでしょうね.

 なればこそ, 我々は自らこだわりに縛られず学び, 対応することも必要なのかもしれません.