今回は循環小数について考えてみます.
なぜ循環するのか, 循環する数列はどのように決まるのか…等々.
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循環小数の特徴
基本的に分数 が真分数, つまり
である場合を考えます.
仮分数となる場合はその小数部分となる真分数を考えれば大丈夫です.
我々が日常で使用している位取りは10進法です.
つまり柔らかく言えば「10で割った余り」によって任意の数を表現します.
それゆえ今回は10という数字が深く関わります.
実際 を満たす
より大きい正整数
を取り,
を法として
が指数
に対応する, つまり
は
を満たす最小の正指数であるとします.
このとき合同式の定義からある整数 が存在して
を満たします.
等式から であることに注意すると
, ここで等比級数を考えます, つまり
, よって
となります, 従って
…(※)
となります.
を仮分数としたので
が言えます.
この事実と(※)の最後の式の式構成により, は
という
桁の数が繰り返されていることがわかります.
であることから
です.
整理すると以下になります.
循環小数
[循環小数について]
仮分数 が
を満たすとき,
を法として
に対応する正指数
に関して,
は
桁の循環節
からなる循環小数となる.
なお, 指数 は過去のエントリでも紹介した通り, 法
に対するオイラーのφ関数
の約数となります.
つまり分母が を除く素数
の仮分数は, 循環節の桁数が
となる…と思いたいところですがコトはそう単純でなく, 例えば
の場合
ですが
と, より小さい正指数
に対応するため, 分母が
の仮分数は循環小数ではあっても循環節は
桁となります.
循環小数から有理数に変換する
上記からわかるように, 循環節が (
桁) の循環小数を有理数にするには,
を計算, 整理すれば良いことになります.
例えば なら
となるわけですね.